情報のインプットとアウトプット(牧野直哉)
先日、調達・購買「私塾」受講生のアンケートで、膨大な情報のインプットはどうすれば可能なのかという趣旨のご質問を頂きました。情報のインプットも大きなテーマになりますね。
頂戴したご質問について、私もいろいろ考えを巡らせてみました。ポイントは
1.環境整備
2.慣れ
です。「膨大な情報を処理する」には、2つの要素が必要です。
●膨大な情報へのアクセスへの環境整備
ツール:パソコン(インターネット)、iPhone,iPad,Kindle
情報源:ホームページや書籍
ポイントは、いつでもどこでも情報にアクセスできる環境です。アクセスするのが難しければやらないという自分の性格を踏まえて、いつでもどこでもアクセスできる環境を整えています。自宅や会社でのインターネット接続環境に加え、外出先でもiPhoneやiPadを使って細切れの時間でも何かを読むことができる環境を整えています。
アクセスし続ける環境で何を見ているか。情報の閲覧に使用しているのは、RSSリーダーです。私はGoogle Readerを使っています。ここにいろいろなページを登録して
Officeと自宅:パソコン
休憩中もしくは、移動中:iPhone
で見ています。70以上のサイトを登録しています。1日当たり100~200位の記事の更新があるので、まず題名のみを流して読みます。気になった記事をちゃんと読みます。この「流し読み」と「ちゃんと読み」で、情報の選別を行っているわけです。この流し読みは、さほど時間をかけません。題名を見ただけでスルーしてしまう記事の方が多いですね。しかし全部は読めません。ここは徹底的に割り切っています。また内容によっては、PDFファイルで数十ページに及ぶ内容もあります。そのような膨大なデータは、Evernote( http://bit.ly/rMEbpY )にどんどん「放り込んで」ゆきます。これは私自身の中でも雑に適当に「放り込んでいく」感覚です。PDFでもテキストの検索が可能です。Evernote( http://bit.ly/rMEbpY )にはテキストの全文検索機能があります。次に自分が必要となった時に取り出す為に必要な機能です。またTwitterでも、
Newyork Times
The Economist
Time
をフォローして、この三つだけが表示されるリストを作成して見ています。リストの閲覧にはパソコンのHootSuit( http://bit.ly/vv7zrB )というフリーソフトを使っています。このソフトを使うと、タイムラインとリストが同時にみられます。もちろん移動中はiPhoneでみています。この「見ています」というのが私はとても重要です。実態としては、とてもすべてに目を通せていません。でもね、それで良いと思っているんです。見ることが無かった情報=自分に必要なかった情報と割り切らないと、こういったアクションを継続することはできないのです。
●本の読み方
もう一つ重要な情報源である書籍です。月に三冊の本を読むのは、勤労者の中でも0.5%でしかないというデータがあります。私は平均すると1日一冊以上の本に目を通しています。目を通すとは、目次と全体を斜め読みする程度なので、こう表現しています。おもしろい!と思った本は「自炊(裁断+スキャナで読み込み」をします。読み込んだデータは、これまたSugarsync( http://bit.ly/rwAt7Q )というクラウドサービスを活用して
・自宅
・オフィス
・移動中
のどこからでもアクセスできるようにしています。またお気に入りの本は、
PDFデータをKindleに入れて持ち歩いています。
●もっとも身近なメールの処理
日々のメールの処理。これは、多くの文献でも語られています。私は、次のポイントで、なるべく未読メールを放置しないようにしています。 理由はどうあれ、大量のメールから必要な情報を抜き出すことは必須ですよね。メールが多すぎると嘆くよりも、少しでも一通あたりのメールに要する時間を減らすことが必要です。
(1) メールを操作するときには、マウスを使わずショートカットですべて操作する。代表的なメールソフトのショートカットの例
Notes http://ibm.co/uVFJ0t
Gmail http://bit.ly/rLsHdq
Windows Mail http://bit.ly/tdBa7w
(2) 読む→返信→読むでなく、読むときはずっと読む。返信はずっと返信するとくに、メールがたまってしまった時など、いちいち返信することが無駄=事態は動いている場合がありませんか?なので、メールを読み始めたら、一気にすべてを読むのです。(う~ん、気合い論ですね、すみません)
(3) 自分から発信するメールは、極力3行以内にする。あんまり複雑なことをメールでいっても、相手が読んでくれなければ意味が無いし、できるだけ長いメールは避けるべきです。三行だったら一見して理解できませんか?一回の長いメールよりも、三行メールを何回ものほうが仕事が進みますよ。
●情報処理方法の鍛え方
膨大な情報へアクセスする環境整備を行った後は、手にできた情報をいかに早く捨てるかだと私は考えています。たとえば、先ほどHPの更新を100~200/日、目を通すと言いました。しかし、見出し以外本文を読みに行くのは10個くらいですかね。多くてもです。あとの記事は見出しを読んだだけで既読にしてしまいます。
情報は「活用=自分の考えや行動に生かす」ものなので、見出しで不要と判断したものは、元から自分に無かったモノとしてすっぱりあきらめるのです。100個記事があれば、すべて読まなきゃ・・・ではなくて、どんどん取捨選択を行う。そして取捨選択を行って後に読むことにするわけです。
膨大な情報にアクセスできる環境を整えて、あとはいかに「未読ゼロ」の状態を多く作るか。時間の余裕度によって読む深さや量が変わっても良いとの割り切りが必要なのです。精神論ではないですが、膨大な情報の処理能力を鍛えるには、膨大な情報へ取り組んで「慣れる」ことがまず必要です。
<つづく>