Q&A(坂口孝則/牧野直哉)

Q1:お二人あわせて100冊以上を月に読まれているとのこと、もし可能であれば、おすすめ5冊とかではなく、1か月間に読んだ本すべてを教えていただけませんか?

【坂口の答え】

他者の本棚を覗きたい、という欲望は誰にでもあり、作家の書斎を特集する雑誌はいつでも売れているようです。私は作家ではありませんので、高尚な本ばかりではありませんが、この3週間で購入した本を次にあげておきます。なぜ、3週間かというと、1ヶ月間は手元に本を残していないからです。これは後述します。

日本人にはもう売るな!
中国消費市場への挑戦
ニワトリ 愛を独り占めにした鳥
「読む」技術
アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ
強い工場のしくみ
ビジネスに「戦略」なんていらない
日本語作文術
手作り弁当を食べてる場合ですよ
街場のメディア論
「情報創造」の技術
<イラスト図解>病院のしくみ
情報は集めるな!
葬式の値段にはウラがある
ずるい!?
0円販促を成功させる5つの法則
ワルが教える年金・保険しゃぶり尽くしテクニック
貧乏シフト!
「値切り」のマジック
世界で一番おもしろい 鉄道の雑学
食品のカラクリ
見なきゃ損する食品衣料表示のカラクリ
人を惹きつける技術
なぜ、脳は神を創ったのか?
楽しく稼ぐ本
コンパクトマクロ経済学
考える技術としての統計学
経済学思考の技術
ビジネスの成功はデザインだ
日本経済復活 一番かんたんな方法
街場のアメリカ論
ディスカウント化する社会
太郎が恋をする頃までには…
高田直芳の実践会計講座
未来改造のススメ
なぜ?1万円の羽毛布団は400万円で売れたのか?
ツキの正体

37冊でした。もっと多いと思っていたのですが、こんなもんみたいです。

【牧野の答え】

正直にお答えいたします(笑)

美しき日本人は死なず

プレゼンテーションZEN デザイン

伝える力

拝金

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

プロ弁護士の思考術

強い工場のしくみ

リ・ポジショニング戦略

見える化でわかる売り値と買い値

新版 生産管理の基礎

産業構造ビジョン2010 経済産業省編

裂壊

小暮写真館

ハーバード流交渉術

Getting Yes

手作り弁当を食べている場合ですよ

平壌で朝食を

小説会計監査

ケースメソッド教授法

ケーススタディ日本企業実例集

信頼性工学入門

無邪気と悪魔は紙一重

憚りながら

楽しく稼ぐ本

超マーケティング

比較技術で見る産業列国事情

物語論

現代日本人の意識構造

日本人はなぜ貧しい人が多いのか

Google Appsの教科書

Google Apps Engine 実践リファレンス

Google Apps 完全ガイド

不動産投資の破壊的成功法

図説要説 中小企業白書を読む

実践!PLM戦略 製造業の競争力優位の経営手法

PLM入門―CRM、SCMに続く新経営手法 池田 良夫

日韓がタブーにする半島の歴史 (新潮新書)

女医が教える 本当に気持ちのいいセックス

「続ける」技術

今すぐ使える!「メール」上達BOOK

さらりと返せる、大人のメール表現334

フォーカル・ポイント

アイデアのつくり方

繁盛店の教訓-小さくても元気なお店

消費者法判例百選 (別冊ジュリストNo.200)

小説家という職業 (集英社新書)

サッカーという名の戦争―日本代表、外交交渉の裏舞台

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

行動変容法入門

私の個人主義 (講談社学術文庫 271)

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)

ダダ漏れ民主主義

この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡

53冊でした。

Q2:本は、何を基準に本を選ばれてますか?何を目的に本を選ばれてますか?

【坂口答え】

簡単にいうと、8割が仕事に関係するだろうというものです。残り2割が興味関心でしょうか。というのも、気になったものは「すべて買う」という主義でやっていますから、基準というのがほとんどないのが実情です。つまらない本は、「これでも本にできるのか」と感心することができますし(もちろん皮肉ね)、1~3章だけ読んでも元を取れる本もあります。

【牧野答え】

・基準

1)人から薦められた本(これは必ず買います)

2)新聞書評(日経、朝日)

3)ラジオで紹介された本 ※著者がご出演されて、著作の話をされて興味が沸いた本

4)月に1~2回、大手書店のすべてのフロア、すべての通路を巡ります

5)自分が持った問題意識について、その分野に関する本を3冊購入します。(佐藤優さんの読書術を参考にしました)

・目的

1)学び(知らなかったことを知るのは楽しい)

私は、本って基本的に安いと思ってます。事実確認や参考・引用する為に費やした労力とコストを考えると、ほんとうに安い。たまに、そうでない本が有るのは事実です。しかし、多くの本は、読むことによって著者の追体験が可能になっています。そして、自分が知らなかった事を知るのは、とても楽しいと思えてならないのです。

2)業務上の必要知識獲得

3)趣味

Q3:買っている場合は、売りますか?保管しますか?本は熟読しますか?ななめ読みしますか?

【坂口答え】

これは牧野さんと同じ答えになるでしょうけれど、ScanSnapというスキャナで、ほとんどすべての本をpdf化しています。なので、売ってはおらず、パソコンのなかに保管しているわけです。これでiPadやiPhoneからも読むことができます。例外はサイン本で、それはさすがに廃棄していませんが、それ以外は基本的には捨てています。

また、本は熟読しているものと斜め読みしているものがあります。たとえば、「善の研究」などは熟読せざるをえず、逆に現在ベストセラー快走中の「女医が教える 本当に気持ちのいいセックス」は中身がほとんどないために斜め読みになります。

それに、私の場合は、ビジネス書や専門書の場合、前半は熟読で後半を斜め読みというパターンも多いのですよ。後半は読ませる工夫をしていないものも多いですからね。

【牧野答え】

・売るか、保管するか。

3つに分類します。

1) 本として保管する(ビジュアル的なもの、この本この本は、絶対にデータ化しません)

2) データとして保管する(断裁してPDF化、最近では自炊といったりします)

3) BOOKOFFへ売る(一定以上の量であれば、出張買い取りに来てくれます)

・読み方

本の性格によります。知識・ノウハウを得る、特に自分が知らないことを得たい場合には、熟読+再読します。それ以外は、ななめ読みが多いと思います。今月の例で言えば、新版 生産管理の基礎はちゃんと読んでいます。裂壊はななめ読みというか、ストーリーがわかる程度の早さです。

Q4:読んだ後なにかしてますか?(読んだ本リスト作成・心にのこったフレーズメモ・・・)

【坂口答え】

文章の基本は「引用すること」です。あまりこういうこと言ってしまうと、「お前の本はパクリだらけか」と思われそうです。もちろん、そんなことはなく、私が言っているのは「文の形」のことですよ。どのような論理展開をするか、どのような言葉づかいをするか、どうオチをつけるかーー。このようなことはすでに先人たちが考えてくれているのですよね。それを使わないのはもったいない。

これは断言してもよいですけれど、人間には完全なヒラメキなどというものは存在しません。それまでに考えたことや読んだこと、出会ったこと、が偶然の重なりで、一つのアイディアに結実するだけのことです。だから、多くのものを読んだり出会ったりする人に、ヒラメキの数で、普通の人が勝つことはできません。

話がそれてしまいました。読んだ本をどうするか、ですよね。私はフレーズメモはほとんどしません。それよりも、本を読んで何か思いついたことがあったら、それをメモします(しかも、それもすべての本でメモするわけではありません。思いついたときのみ、です)。ただし、読めないような漢字があったら調べて「漢字リスト」を作成しています。英語の勉強よりも、日本語の文章を書けたほうがお金になるのですよね。これは実証済みです。たとえば、「蠱惑」という意味がわかりますか。あるいは「譫妄」、「偏頗」とかね。英語よりも、まずは日本語を勉強したほうが良い、というのは私の信条になっています。

【牧野答え】

読みながら、気になった部分に線を引きます。読み返す際の目印にもなりますし。以前は、売るときに少しでも値段が高く!なんて考えて、付箋をつけたりしていました。今は、保管する、もしくはPDF化してしまうので、シャープペンで線を引いています。

また私の場合、テーマ毎に自分にしかない一冊を作ります。

「ほんとうの調達・購買・資材理論」で書いているサプライヤーマネジメント理論でお話しした「PLM理論」を例にします。この場合、資材・調達関連で、なおかつ日本人でPLMに触れている方は、本メルマガ共著者である坂口さんくらいしかいないんです。海外の文献に目を向ければ、この本に一部明記されています。一方で、マーケティング関連の文献には、沢山のPLMに関する記述を見ることができます。そして、佐藤優さんの読書術としてご紹介した三冊の本を読む考え方の発展型で、三冊からの引用部分のいずれにも明記されていることは正しいと判断できる、としています。本のPDF化(自炊)は、本棚を持ち歩くとのメリットの他に、いろいろなテーマ毎の本文の分類が可能である点も、私には見逃せません。

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