次々に文章を書く、たった一つの冴えたやり方
書籍を32冊ほど書いて、月に何本も連載して、かつメルマガやその他の媒体でも文章を書いています。そういう私にとって、多い質問が「よくネタ切れになりませんね」です。私は、今年はあと2冊ほど出版予定があります。だから、そんな話を聞いたときに、フツーのひとからすると「よくネタ切れになりませんね」というわけです。私は、その他、新たなセミナーもやっていますし、ラジオにも出演しています。
ここで秘密を述べます。「ネタ切れにならない」方法です。それは、「ずっとネタ切れ」になっておくことです。これは冗談ではありませんし、レトリックでもありません。恒常的にネタ切れならば、ネタ切れに「なる」ことはありません。私など、この10年くらいずっとネタ切れです。だから、常に無理やり生み出しています。新たにネタ切れになることはありません。嘘のようですが、凡人にとってこれが「ネタ切れにならない」方法です。
逆に、コンテンツを常に貯めようとするひとや、コンテンツをまとめて生み出さねばならない、と思っている(つまり大半の)ひとにとっては、ネタ切れになるようです。よく「書くネタが思いつかない」といっています。このテの人たちは、ネタ切れ体質のひとたちでしょう。そもそも私の講義がそうですが、「話すことが貯まったから、話そう」と思うのではなく、「話す機会があるから、話す内容を考えよう」と考えます。しかし、だからといってつまらないわけではありません。文豪バルザックだって、借金のためにやむなく小説を書いて、むりやり作ったのが傑作となっています。私の例でいうと、「一日のみの超・調達講座」( http://www.future-procurement.com/product/shijuku/ )はテキスト締め切りの数時間前から作成はじめましたが、人気を博しました。
くわえて大切なことは、仕事を好きにならないことであろうと思います。よく「スランプになった」といいますが、私は一貫してスランプになった経験がありません。仕事が好きなひとは、スランプになったり、行き詰まったりするのでしょうが、もともとさほど好きでなければスランプも停滞感も関係がありません。私は文章を書くとき、常に仕事関係者からリマインドメールをもらうようにしています。だから義務で書いています。
しかしこの義務で書くのはほんとうに良いのですね。単にやらねばならない仕事ですから、そこに躊躇はありません。「行き詰まった」なんて甘えた言葉はいっていられません。私は、身近なひとは知っているとおり、話す仕事も好きではありません。文章も、話すことも、資料を作成することも、好きではありません。好きではないから、逆説的に、ラクになるための工夫がうまれ、効率化を追求するのだと私は思います。
だから、もしこの文章を読んでいるひとで仕事が嫌いなひとがいたらチャンスだと思いましょう。きっと、その仕事で1位になれますよ。あなたは客観視できるひとです。没頭しているひとに比べ、すぐれた成果をあげられるでしょう。