4-(1)-1 新規サプライヤーの発掘<基礎知識>
新規サプライヤーを発掘する状況としては下記のような場合です。
(1) 既存のサプライヤーだけでは、将来安定した調達が困難になる場合
(2) 既存のサプライヤーからは調達できない仕様・製品を必要とする場合
(3) 戦略上、新規のサプライヤーが必要になった場合
まずは自社が将来的に必要とする仕様を察知し、理解することが必要です。
そして、競合他社の調達構造を調べます。これは難しいことではなく、サプライヤーに聞いてもよいですし、自動車産業など業界によっては各社の調達構造について記された書籍も毎年出版されています。
加えて、関連技術の進化や世界市場の動向に関する情報を日々入手します。
このようにして挙がってきた有望サプライヤーにコンタクトし、必要に応じて面談し、取引の可能性を探ってゆきます。
日々の業務では新規サプライヤーを探すことは多くないかもしれません。既存のサプライヤーと付き合うことが多いでしょうし、新規で参入させるにしても売込みのあったサプライヤーが想像以上に安かった場合もあるでしょう。知り合いからの紹介もあるかもしれません。しかし、そのような場合は「発掘」ではなく受動的です。
これまで、バイヤーは売り込みや紹介によってサプライヤーを知ることがほとんどでした。しかし、これからは(1)~(3)のような状況によって、自らが積極的にサプライヤーを発掘することが必要になってきます。
つまり、サプライヤーが訪問してくるのを待ち、提示される見積りをただ交渉するだけではいけません。こちらから取引をしてくれるように口説く、という能動的な態度こそが必要となってくるのです。