地獄の日々③

あまり面白い話ではないかもしれないが、私がいろいろ受けた不条理なことを書いておこうと思う。これも、コンサルタントとして独立しようとするひとが参考になるだろう。

既得権益者がいるんです

まず、意外に多いのは、「既得権益者がいるんです」というものだ。たとえば、企画書を出すとする。コンサルタントだから、たとえば、特定のセミナー会社で「こういう講義ができます」とか。

そのときに多いのが「あなたのほうが面白いかもしれませんが、お付き合いの深い、他の講師がいます」というものだ。正直、既存の先生は、けっこうひどいと思うのだけれど、その先生がお亡くなりにならないと、切り替えられないという。

先日、セミナー会社から提案を受けて承諾したら、「やっぱり社内で検討した結果、既存の先生で行くことにした」とあった。この憤りをどこにぶつけていいかわからない(笑)

ウチはこういう規則なんです

あと多いのは、「ウチはこういう規則なんです」というものだ。たとえば、事前の打ち合わせが必要とする。そんなとき、どうしても、私が向かうような時間がない場合がある。そりゃそうだ。事前の打ち合わせに、弊社が事務所をもつ東京以外では、なかなか難しい。もちろん、案件化するなら問題がない。

でも、世の中には「仕事になるかわかんないけどさー。とりあえず大阪に来てよ」という場合は多い。それで、行ったら、ほんとうに、何にもならないのだ。

ただ、「いえ、弊社のところに来てもらわないと、こちらはそちらへの交通費は出せません」というケースが多い。

私は運良く、こういうケースを断っても仕事に困っていないけれど、仕事がすくないコンサルタントは大変だろうな、と思う。

部長がとりあえず会いたいといっています

また、これは光栄かもしれないのだが、「部長がとりあえず会いたいといっています」というケースがある。「すみません、それはなぜですか」とか「効率的な打ち合わせのために、何の目的か教えてください」といっても、なかなか教えてもらえない。おそらく、それは、部長に、その人が聞けないからだと思うが……。

たいていの場合、話を聞くと「ああ、そういうことなら、早めに教えてもらえればよかったのに」と、担当者ほうをむくと、いつも都合の悪い顔をする。私が部長に「何度お聞きしても、窓口の方からは、議題をお聞きできませんでした」というと、部長は「それは失礼した」といわれるが、窓口の方は不満そうな顔をしている。だから、こういう話をいわないほうがいいかもしれない。

しかし、それにしても、これだけ働き方改革が叫ばれているのだから、あらかじめ、議題などを明確化して、なぜ「会いたいか」をはっきりさせたほうがいいと思うが……。

現場からは異常です。いや、以上です。

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