7-9 VEの基本原則と実践ステップ
ポイント
1.VEとVAの基本的な意味と目的を理解する。
2.VEの5つの基本原則について説明する。
3.VEの基本3ステップとその実行方法について詳述する。
VE(Value Engineering:価値創造)とVA(Value Analysis:価値分析)は、現在ほぼ同義語として使われています。モノの機能にフォーカスし、価値(機能とコスト)で評価し、改善・改革へとつなげる考え方です。
●VEの5原則
1.使用者優先の原則
機能を高めること、使いやすくすること、コストを引き下げることは、すべて使用者の利益のために行います。
2.機能本意の原則
顧客は、要求を満たす機能を求めており、機能をまっとうする最適な方法を考案し、選択します。
3.変更の原則
従来の方法を変えなければ進歩はなく、ライフサイクルコストで評価して、企業にとってメリットのある変更が望まれます。
4.チームデザインの原則
人間の発想能力を最大化するために、チーム活動による刺激し合う集団を目指します。
5.価値向上の原則
基本原則となる式は、V(Value)=F(Function)/C(Cost)であり、Fを維持もしくは向上させるか、Cを維持もしくは引き下げ、Vの向上を目指します。
●VEの基本3ステップ
1.Blast
従来の方法を破棄し、要求機能のみに置き換えます。
2.Create
同じ要求機能を果たす方法を自由に発想します。
3.Refine
Valueを高めつつ、制約条件を加味して実現性を検証します。
この3ステップの特徴は、(1)の従来の方法を破棄する点です。VEでは、既存のモノにとらわれない思考を実践する取り組みです。
●VEの取り組みはディスカッションから
VEの取り組みは、参加者がディスカッションで刺激し合いながら発想し、実現性の検証を進めます。調達・購買部門がテーマを選定し、社内関連部門と協力してVEの実現へリーダーシップを発揮します。全員参加の原則を守りつつ役割分担(情報収集や評価の数値評価等)を行い、計画⇒作業⇒理解の流れで進め、とくに最後の理解するプロセスは関係者全員で共同して取り組み、VEの実現を進めます。
このように、VEとVAは企業にとって重要な手法であり、その基本原則と実践ステップを理解し、実際のプロジェクトに応用することで、より大きな価値を創造することができます。
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