先週の調達・購買担当者が見るべきニュース(3月9日~3月15日)

トヨタ、人材定着へ大幅賃上げ 現場の「余力作り」急ぐ 過度な生産性追求見直し

さまざまな問題を発生させた日本最大の産業である自動車産業のトップメーカーが、この春行わなければならない「労務費転嫁」を、やらされ仕事ではなく自分たちに意義ある仕事へと意味づけを行っている。今、せっかく社会に出ても3年以内の離職者が3割を超えている現実がある。日本企業の新卒採用、特に自動車メーカーでは、現場実習や販売実習を行い業務部門に配属されるのは、入社1年後といった企業もある。新入社員への給与、研修コスト等、膨大なコストを費やして社員教育を行っても、すぐに辞められたら元も子もない。新たな人材を採用するにもコストが発生するし、退職者は人員計画を狂わせ、確実な業務実践を危うくする可能性もある。今回の行政から押しつけられる「労務費転嫁」を、自社の戦略の中で有効活用する手立てを確立する企業こそ、生き残りを掛けた競争に勝ち残るだろう。

トヨタなど車3社供給網、総賃金の上昇4%台 人手確保へ中小にも波及

労務費転嫁問題を、調達サプライチェーンを通じてサプライヤへの波及を促す取り組みも行われている。これから厳しさを増すであろう人材獲得競争にも、労務費転嫁を積極的に行えば求職者へアピールポイントになる。

首相、建設5%賃上げ要請 短い工期の受注禁止、法改正案を閣議決定

建設業は、国政のトップが具体的な割合まで指定して給与アップのプレッシャーが放たれている。こういった動きへの抵抗は、どんなリスクになか把握できない。こういったプレッシャーを、自社の調達・購買側だけではなく販売側にも展開して、自社にリスクを残さない取り組みと、なぜ行うのか?の意義づけが欠かせない。

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