調達担当者とカラオケ上達法(坂口孝則)
私は絶望的なほど歌がヘタなので、カラオケに進んでいきません。誘われたら……という感じです。しかし、ビジネスの場において、カラオケに行かざるをえない場合があります。とくに若手だったら断れないかもしれませんね。少なくとも、まだ取引先とカラオケによって親交を深める(笑)風習が残っているからです。
ところで、私はテレビなどの仕事でアーティストとお会いする機会があります。雑談のときに、「歌がうまくなる方法」について訊いています。歌手から個別コンサルティングを受けるとは、私は幸運な男です。そこで、「面白い!」と思ったカラオケ上達方法が三つありますので、ご紹介します。
まず、一つ目は、大きなバケツを頭からかぶって練習しろ!というものです。この方法には驚きました。なぜバケツなの?
それは、音痴の特性にあります。というのも、自分自身が音痴だと思っているひとはいないのですね。自分自身ではそれなりに感じている。でも、他人からすると、ひどい音痴です。それは自分自身の歌を正確に聞いていないからです。バケツをかぶると、他人がどう聞こえているかわかります。正確な現状把握は、改善のために必須です。まるで経営のようですね。
二つ目は、歌詞を読み込む。これも意外でした。なぜ歌詞を読みこめば歌がうまくなるのか。それは、イメージの差をつけるためといいます。つまり、事前に歌詞を読み込んでおいて、歌の起伏を血肉化しておけば、おのずと上手くなるというのです。うろ覚えの歌は、いきなり歌詞を読んで歌うことになります。これではダメというわけですね。あるひといわく、歌詞を記憶することと、上手く歌えることはイコール、だそうです。
三つ目は、唇をプルプルさせる練習だそうです。これをリップロールともいいます。子どもが遊びでよくやる、「ブルブル」っていう、あれです。「リップロール」などと検索してみてください。これを毎日くりかえすと、口の筋肉ができあがり、音程調整できるようになるようです。しかもこれは複数の歌手から聞きました。おそらく効果があるのでしょう。
なお、このリップロールは、講演やプレゼンテーションの練習にも有意義です。おなじく、これはプロの研修講師や講演家からも聞きました。プレゼンテーションでは、声の高低や強弱をつける必要がありますが、それをおなじくリップロールで練習するのです。よく思えば、歌もプレゼンも、人間が体だけでやるものですから、基本は一緒かもしれませんね。
歌でもプレゼンでも、成長したらうれしいものです。そしてその愉悦が次なる成長につながるかもしれません。