私は怒っています(坂口孝則)

高校生時代、私は本気で何かを変えられると思っていました。何か? 社会なのか世間なのか、大衆なのか。あるいは自分か。それはわかりません。しかし、造反有理という言葉のとおり、とにかく自分は何かを変えられると思
っていました。

スターリン、メルツバウを聴き、バタイユを読み、山口昌男の理論に魅了されていた私は、個人が何かを変えるエネルギーをもっていると信じて疑わなかったのです。

あるとき、友だちのバンドが演奏するライブハウスに行きました。彼らは輝き、その叫びは生きる衝動そのもののように感じました。「自由でなければ死のう」。当時の合言葉でした。

しかし、どうでしょう。20年ぶりにあったとき、元「仲間」からはその熱気が面白いほど消え、保身と慣性だけが覆っていました。いわゆる「大人になった」というやつです。私だけ「変わっていないな。考えが若いな」とい
われ、まるでタイムスリップしたようでした。「自由でなければ死のう」。当時の合言葉を覚えている奴なんて誰もいません。

その後、まったく別件です。私の同業者に会う機会がありました。いわゆる勉強会というやつです。驚いたのは、クライアントを考えているやつがほとんどいないことです。売上と食っていくことだけ考えています。クライアン
トなんて二の次なんです。そしてお客が変わることなんて誰も信じていないし、希望してもいない。

優しくいっても、「腐っています」。ええ、「腐っています」。

さらに、これまた別件です。若い調達・購買担当者と話す機会がありました。おなじく、スルメというかコンニャクみたいなゆるゆるとした感じです。それが最近の若手だ、といわれればそうでしょう。でも、まったく業務に対する熱意が感じられない。会社が悪いとか環境が悪いとかいう前に、自分自身はどれだけ走っているだろうか。それは自分にも問い続けたいと思います。

私は自分にも怒り、そして、「自由でなければ死のう」を実践しようと考えています。もちろん日常はくだらないことや不条理ばかりです。しかしそのなかでも、希望をもって道を切り開きたい、と。

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