おはようございます。あなたの奴隷です。(坂口孝則)

突然ですが、横井庄一さんってご存知ですか? 軍人でした。先の大戦が終戦を迎えたにもかかわらず、横井さんはその情報を知りませんでした。そこで一人残されたグアム島に、なんと28年も潜伏していました。ずっと密林に身を潜め、いつ終わるともわからない生活をずっと続けていました。地元の猟師が偶然に発見し、横井さんは帰国します。「恥ずかしながら、帰って参りました」は当時の流行語になっています。若い方は知らないかな。

私が面白いと思ったのは、後日談です。

朝日新聞は、横井さんがどのような環境で過ごしていたかを取材しています。ジャングルに向かい、沼を渡って、崖を登って、横井さんが住んでいた竹やぶを発見します。すると、記者は驚いてしまいます。そこからはっきりと、コンクリートのアパートが見えていた、と。生活臭のはっきりわかるアパートです。さらに、生活の様子を見たら、戦争が続いていないことくらい理解できる。

ただ、この後日談を知っているひとは、ほとんどいません。なぜなら「孤独」「密林」「文明からの乖離」「情報遮断」というキーワードが支配し続けて、事実を事実のまま見ることができなくなっているのです。反した事実は受け入れられない。それは、現在でも、ほとんどのニュースにあてはまるのではないでしょうか。一度、思い込んでしまったら、なかなかまっすぐに物事を見つけることができないのです。

私は、物流・運送業は、どこも現場が悲鳴を上げているので、儲かっていないと勝手にイメージをもっていました。しかし、調査すると、全国の物流・運輸業は増収増益をつづけています。現場は困っているでしょうが、経営は好調です。これも、思い込みがいけないと思い出させてくれました。

できるだけ「見たくない事実をありのまま見る」ことを努めてきました。そうするだけで現状打破のきっかけを与えてくれます。これに、「思い込みを廃して、見たくない事実をありのまま見る」と付け加えたいと思います。

「調達・購買は設計の奴隷になっている」
「調達・購買は伝票を処理しているだけだ」
「調達・購買は偉そうなこといいながら、ゴネる価格交渉しかできない」
という実態から目をそらさないほうがいいですね。

よろしくお願いします。

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