サプライヤー戦略(10)競合はほんとうに正なのか-3
すると、次のような批判がありえます。「だって競合をしないと下がらない」と。では私は問います。「それならば、いくらになればいいんですか?」と。すると、それはわからない、と居直られることになります。やはり判断基準が競合他社の見積りしかないのです。
調達・購買とは、サプライヤーから1万円のものを1円で買うことを目指す部門なのでしょうか。安ければ何でも良い、という姿勢で、会社全体で打ち出している「サプライヤーとの利益共創」という理念をほんとうに実現できるのでしょうか。競合だけで価格を下げていく、というとき、それが新入社員とやっていることは何が違うのでしょうか。プロフェッショナルとしてのスキルはどこに反映されているのでしょうか。
サプライヤー戦略とは、まず相手を知ることであり、かつ調達・購買部門の役割と数理的な評価手法を知ったうえで、パズルのように最適解を模索し続ける営為のことです。