9-4.購買アウトソーシング ~購買パラダイムの変換を! 「新しい購買の新「進化論」」~

「いや、そりゃそういう例もあるが、そういうことできるかよ」

 

「考えてください部長。昨年も、若手で優秀だった吉川が辞めていったでしょう。あいつなんて、仕事はすごくできた。だけど、評価は普通ランクだった。『他の奴を昇格させるために、お前は我慢してくれ』なんて、いまどきの若い社員には通用しませんよ。吉川だって、序列の評価が気にいらないことを常に口に出していました」

 

「吉川が?そうだったのか。あいつは『他にやりたいことがあります』と言っていたけれど」

 

「違います。外資系の購買BPOに転職したんですよ」

 

「BPO?」

 

「ビジネスプロセスアウトソーシングです。早い話が、購買業務の外注屋ですよ。吉川は、購買のプロとして外資系のコンサルBPOの方が我々よりも正当な評価をしてくれると思った。だから、転職したんです」

 

「そんな外注で働くよりも、ウチで働いた方が・・・」

 

「単なる外注じゃないですよ。購買戦略の策定から業務プロセスの改革までやっています。もちろん、全てのBPOが素晴らしいなんていいません。ひどいところもたくさんある。だけど、吉川にはそういう組織が、一人の購買担当者をちゃんとプロとして客観的に評価してくれることが嬉しかったんです」

 

「しかし、ウチでは多少の序列は仕方がないだろう・・・」

 

「これからはちゃんと部員のレベルを客観的に見てあげる。そして、それをきちんと部員にフィードバックしてあげる。給与形態は急に変えられるとは思っていませんが、部員としては『市場価値が高い』と認定されれば、相当な名誉ですよ。逆にそういうことをしないと、吉川のような優秀な若手がこれからもどんどん辞めていきますよ」

 

「でも、ベテランの社員に対して『市場価値が低い』なんてことになったら逆効果にしかならないだろ」

 

「部長。もう、そういう時代じゃないんですよ。市場価値のある奴には、ちゃんと教えてあげてもっとプロフェッショナルになってもらう。名前は出さないにせよ、会社の中で『ウチの部門にはこういう市場価値の高いプレイヤーがこんなにいる』と、他の部門にだってアピールできる」

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