4-5競わせて安く買う ~分散化のメリット・デメリット~

分散購買で複数のサプライヤーを競わせればコスト低減は可能です。ポイントはどう「分散」するかです。「分散」内容のコントロールが、調達購買部門の重要な任務です。

☆どこを分散すればよいのか

4-4で述べた、まとめる、集中とは逆の「分散」によってメリット獲得には、まとめるべきはまとめ、集中を実現した上で「分散」します。まず発注する製品の種類をまとめて、複数サプライヤーへ見積依頼します。各社へ他のサプライヤーにも見積依頼を行っている旨を伝えます。複数サプライヤーへ見積依頼の事実を明言し、サプライヤーに競争意識をもたせるのです。調達購買部門は、どこのサプライヤーでも発注する可能性、目標単価がある場合は金額も明言します。見積依頼を行った後、サプライヤーから問い合わせがあり回答した場合、見積に影響がある内容は他のサプライヤーにも伝えます。

☆複数のサプライヤーを正しく「競合」させる準備

「競合」は複数のサプライヤーを競争させて発注先を決定します。フェアーな競合は、複数のサプライヤーに同じ内容の見積依頼を行って実現します。その際調達購買部門から購入要求部門に依頼し、見積依頼の内容を「見積仕様書」としてまとめ、調達購買部門で取引上必要な条件を加えて各社に配布します。見積書の提出期限は必ず設定し回答を待ちます。

「見積仕様書」の内容が複雑な場合、各社同じ条件で内容確認のための打ち合わせを開催します。各社等しい条件の下の見積依頼とサプライヤーが意識すればするほど、競合意識が高まります。一方サプライヤーが独自に購入要求部門とコンタクトし打ち合わせをする場合があります。そのような場合、調達購買部門も打ち合わせに同席し打ち合わせ内容を確認して、必要であれば他のサプライヤーにも情報をシェアし、見積依頼条件の差をなくします。

☆競合の後に必ず行うこと

同じ条件で競合させ、見積結果で発注するサプライヤーを決定します。競合の結果、発注先に決まったサプライヤーとのコミュニケーションは活発になる一方、発注しなかったサプライヤーとそれっきりになってしまいがちです。将来再び競合する機会があるなら、発注しなかったサプライヤーも必ずフォローします。発注できなかった原因は価格なのか、価格以外の条件なのか。具体的な理由と次の機会も見積依頼する可能性を伝え、次なる競合に備えてもらいます。

また競合結果で発注先を1社とせず、あえて2社に「分散」発注も可能です。この場合は発注先決定だけでなく納入開始以降も「分散」による競合状態の活用が可能です。「分散」状態の活用は、調達購買部門に有効な手段なのです。(牧野直哉)

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