真面目に文章執筆の秘密を書きます

私がはじめて書籍を書いたのは、28歳のときでした。早いのかどうかはわかりません。ただ、22歳から仕事をはじめ「真剣にやったら5年でノウハウをマニュアル化できる」という師匠の教えを守ったら実際に本を書けました。だから、これを読んでいる二十代のひとたちも、やる気になれば(これが難しいのですが)本を書けるでしょう。そして、そのとき編集者から言われたのが「それでは10万字くらい書いてください」とのことでした。

これは途方もない数に思えました。400字詰の原稿用紙のなんと250枚分です。卒倒しそうになりました。それまで、ブログとかメルマガの2000字くらいは書いたことがありましたけれども、10万字とはね。しかし、自分が望んだことでしたから、しこしこと書きはじめました。それから『調達力・購買力の基礎を身につける本』(http://www.future-procurement.com/jump/kiso)が完成しました。いまだに、この熱のこもった自分をうらやましく思います。

さて、10万字を書くという酔狂な行為を、なんと私は27冊ぶんも繰り返してきました。そして、現在も新たな本を書いていますから、これはずっとずっと継続していきます。このコツは、きっとビジネスパーソンの書類やらの作成にも役立つと思います。

大量の文章や、あるいは大量の資料を作り続けるコツです。一言でいうと、「先に進む勇気」です。どういうことでしょうか。慣れないひとは、一文を書いて、納得できなければ進みません。これが支障なのです。コツは、とりあえず、指を動かし続けること、これにつきます。怒られるかもしれません、これがコツなんてね。でも、ほんとうなのですよ。

考えてみれば、単に指を動かしてキーボードをタッチし続けるだけなら10万字なんて書けると思いますよね? ただひたすら書けばいいからです。そこなんですよ。だったら、ただひたすら書いてみましょう。ただただ動かすのがコツです。私は連載も無数にやっていますが、それらの最初の原稿はひどいものです。だって、ひたすら指を動かすだけを目的としているので、文章は「ああ、思いつかない、何を書こうかな」とかです。でも、コツは繰り返しますと、ただただ書き続けることです。前述のようなボヤキは、あとで消せばいいだけです。でも、一度ストップしてしまったら、なかなか続きは書けません。

それと、もう一つのコツがあります。これは凄いノウハウなので、ほんとうはいいたくないのですけれども、いってしまいます。それは、寝る前に「この世界は私を産み落として、私という物質を通じて、世界に何を広めたのだろう」と自問すればいいのです。うわあ、宗教的ですよね。だから、胡散臭いと思いましたか? 思ってもらってもかまいません。でも、もう一度いってしまいましょう。みなさんが生きる意味がたしかにあります。だから、常に「この世界は私を産み落として、私という物質を通じて、世界に何を広めたのだろう」と考えていただければ、きっとみなさんしか発信できないコンテンツが生まれるはずです。

情報を発信すれば、絶対に情報が集まってきます。これは情報社会における真実だと私は思います。会社であっても、情報を発信し続けたら、さまざまな部門のひとたちがあなたを頼りにして、かついろいろな情報をくれるはずです。お金はかかりません。実行するだけです。私は、会社員のころ「原価低減月報」というメールマガジンを勝手に作成して関係する設計者に送付していました。それは、他部門のコスト削減事例をたんにまとめただけではありましたが、違う部門には有益なものでした。やればいいんです。そしてその過程で、大量の文章や資料を作成するノウハウは勝手に身につくのですよ。

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