明石家さんまさんの話が面白く、◯◯さんの話がつまらない理由
これまで明石家さんまさんの番組に3回ほど出演しました。事前の打ち合わせなど一切なく、風のようにスタジオにやってきて、大爆笑を巻き起こし、そして後ろを振り向き手を上げて去っていきます。「なんなんだろう、これは……」と思いました。レベルが違うというか、あまりに圧倒的すぎるのです。ゲストに話を振って、いっぽうでアイコンタクトで芸人さんに合図を出す、そして自分でちゃんとオチをつける。
かと思えば、床に転がったり、笑いながら顔を抱えたりするオーバーアクションも忘れない。なにをいっても、笑いで返すのですから、誰だってこのひとに番組を任すに違いありません。ひとことでいえば、安心できるのです。これは凄いことですよね。だって、この時代は失敗しないことが重要ですから、間違いないひとがいたら注文は集中するはずです。世の中には「面白い話をするための」本があふれています。それだけ話を面白くしたいひとが多い。でも、明石家さんまさんレベルにいたるのは至難の業です。
では、何がそんなにすごいのか。冷静に分析してみると、明石家さんまさんは、ほとんど相手のいったことをオウム返しにします。しかし、この繰り返すとき、声の表情がすごいのです。つまり、声の表情(抑揚など)だけで話は面白くできるのですね。そのあいだにコメントを考えるのです。これは使えるワザです。
たけしさんは、ビジネスマンが三つに分類するのに反対します。つまり「この要点は三つです」などと、ついビジネスマンは言ってしまいますよね。それが長いというのです。秒単位で仕事をしているひとたちからすると、「三つだなんて長くて聞いていられない」わけです。ではどうするか。二つにまとめよ、といいます。しかも、ここにコツがあって、一つ目は極端に短くするのです。
つまり「私が言いたいことは二つ。一つ目は、日本の財政は大変だ、ということ。そしてもう一つは……」と述べ、まわりを安心させるのです。ああ一つ目がこれだけ短かったら、大丈夫だろう、と思わせて、二つ目に自分が話したいことをしっかりと述べるのです。こうすれば、誰もが聞かざるをえません。むしろ重要ポイントは二つ目に持ってくるのです。
これが私が話のプロ中のプロから得たノウハウです。他にもいろいろと開発できるかもしれません。気づきがありましたら、私から引き続き共有したいと思います。