くだらない社員のほうが調達・購買担当者として成功する

かつて、こう言われました。「学生時代は答えを出すことを求められてきただろう。それは、学生時代の問題に答えが用意されていたからだ。しかし、社会人になったら違う。そもそも答えがなんだかわからないし、答えがないものに挑む心意気が必要なのだ」と。

私は、はじめのころこれを信じていました。それに、同じような発言を本やテレビでも聞きました。しかし、ほんとうにそうでしょうか? 私が思うに、その逆ではないかと思うのですよ。というのも、多くの社員は、答えがわかっていることすら、その答えを導けません。たとえば企業のキャッシュ・フローはどう計算するのでしょうか。調達・購買に関わっていれば、サプライヤの経営状況を把握すべきですよね。でも、それがわからない。

もっといえば、損益計算書すら読めないひとがいます。損益分岐点?なんのこと? 流動比率?なんのこと? 減価償却費?なんのこと? といったように、「答えが用意されていること」すら、ロクにわからないのです。そのくせに、口では、「仕事では、答えがわからないケースが大半だ」とおっしゃる。

これならば、答えがあることに答えを出せるだけのほうがよっぽどマシです。すみません本音です。

会議でも同じではないでしょうか。会議で明確な手段を決めようとしているのに、「ええっと、ではですねえ、まあ、上手くやって、まあ適当にやれば、はいはい、いつの日かマシになるでしょう、ははは」といったレベルの結論にしかならないのです。こんなときこそ、私は「答えがあるんだから、ちゃんとやろうよ」と思っていました。

私は逆に、「答えがわかるもの」をちゃんと答えを導くことが優先的だと考えています。だって、そんなにクリエイティビティが必要な仕事なんてないですよ。あっては困ります。私たちは芸術家ではないのですから、答えのある仕事をいかに効率的に答えを導くかで勝負すべきですよ。いや、たしかに答えがない仕事もあります。でも、答えがある仕事のほうが大半なわけで、それに注力すべきではないかと思うわけです。答えをしっかり導けるひとのほうが、はるかにクリエイティブな仕事もできるでしょう。

私は「くだらない社員のほうが調達・購買担当者として成功する」と書きました。これは本音なのですね。というのも、まずは「くだらなくても、目の前のことをチャント徹底する」社員こそが重要だと思うのです。

私は現在、女性を使って(「使って」って失礼だな。女性とともに)仕事をしていますけれど、私は難しいことは要求しません。それよりも、徹底的なほど「目の前のことをちゃんと理解せよ」「わからなかったら、わかるまで考えろ」「曖昧にするな。答えを具体的に導け」「なんとなくじゃなく、はっきりとマルバツをつけろ」とかです。

私はこれからも、つべこべいわずに、くだらなくても黙々淡々と仕事をこなしていこうと思います。

どうぞ、よろしくお願いします。

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