【保存版】調達・購買人材に必要なスキルと知識(坂口孝則)

・これからの調達・購買人材に必要なこと

以前、LCBという概念を繰り返し伝えてきた。LCBとは、LCCからの造語だ。LCCとは、ご存知のとおり「ローコストカントリー」のことだ。安価な人材コストを有する国々ことを指す。それにたいしてLCBは「ローコストバイヤー」のことだ。

これまでローコストカントリーから生産される安価な調達品ばかりに注目されてきた。しかし、ローコストカントリーの製品が安価であれば、当然、次のターゲットは頭脳労働者に向かう。すなわち、製品だけではなく、日本人の調達業務そのものも、他の国々に移管していくはずだ。私の予想はそれだった。

2010年の初頭にこのLCBを語ったときは信じてもらえなかったけれど、いまでは続々と有名企業が業務を他国(ローコストカントリー)に移管している。LCBへの移譲がはじまったのだ。

では、日本人バイヤーは何をすればいいのだろう。それを考える以前に、バイヤーのプロフェッショナルとしてのスキルと知識を整理する必要がある。

これまでの経験から下のようにまとめた。

<原図は大きいので、ぜひクリックしてご覧いただきたい>

これが、私の考える調達人材のスキルマップだ。もちろん、各種の書籍や資格制度、ヒアリングなどをもとにした。このなかにはシステム系の知識は入っていない。それを挙げるひともいた。しかし、どうも私にはシステム系の知識が重要だとは思えない(それこそLCBが一気に抜き去るだろう)。それよりも、根源的な、そしてこれから先も必要となるであろう内容をまとめた。

私が用意した軸は次の5つだ。

1.調達・購買業務基礎
2.コスト削減・見積り査定
3.海外調達・輸入推進
4.サプライヤマネジメント
5.生産・ものづくり・工場の見方 

そして、深度を横軸に広げた。合計で、5×5=25の知識・スキル体系となっている。たったの25かよ、と思わないでほしい。かなり優秀な人であっても、どこかが欠けている。そして逆にいえば、この25のスキルを習得することが、LCBと闘うための武器になっていく。

海外の書籍も読んだものの、調達・購買人員に必要なスキルを、これほど体系だって書いているものはなかった。もちろん、業種や業態によって、追加内容はありうるだろう。建築業法などの追加知識が必須のところもある。ただし、調達・購買共通のスキルとしてはじゅうぶんだろう(逆に、何か欠けているところがあったら教えてほしいし、補強することによってみなさん独自のスキルマップが完成するだろう)。

25個のスキルマップを色塗りすることで、自分の不足箇所がわかる。いや、それを組織に広げれば、どのスキルを有する人材が少ないかを把握することができるだろう。

これからのメールマガジンでも、これら25の内容を順次説明していきたい。

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