ご質問への回答を書いています(坂口孝則)
ある方からメールでご質問をいただきました。「若い調達担当者の育て方」ついてのご質問でした。答えると有料でコンサルティングを依頼いただく方に失礼になります。そこで、回答は公開の形をとり、さらに話をちょっとズラしたいと思います。
以前、本を読んでおりましたら、あまりにも興奮して、そして、あまりに昔の自分を見るようで、驚いてしまいました。
「サードドア」
http://www.future-procurement.com/jump/3rd
主人公は、なんの取り柄もない、そして実績もない大学生です。しかし、行動力だけはあります。そんな著者は、いまでは個人投資家にまで登りつめました。その著者が何をやってきたのかを自伝的に説明した本です。著者の成功はどうやって? 行動することによってです。どうすれば成功するのか、それを著者が成功者にインタビューすることによって解き明かし、それを真似することで自分も成功しようという本です。
それにしても著者は、ビル・ゲイツや、レディー・ガガにインタビューしているのですよ。想像つきます? みなさんが、この二人にインタビューすることを想像できますか。私は無理って、著者も完全な無名なひとですからね。完全に無名なインタビュアーが、ジャーナリストでは不可能なアポイントを獲得し、そこから信じられない会話に発展させていきます。
この本は、意地悪にいえば、「若い男性が、たんに暴走して、さまざまな失敗をするだけの本」と捉えることができます。さらに、アマゾンでもそのような書評にあふれています。
なんと残念なんでしょうか。
失敗を重ねることが、ただ一つの成功の方法です。例外はありません。行動が成功には結びつかないものの、成功したひとは必ず行動しています。実は、私はこの「サードドア」を読んでいて、自分の20代を思い出していました。私の20代はこんな感じだったんですよ。でも、行動さえすれば、無能な人間でも上手くいくとわかったのは、最高の経験でした。
私は20代のころ、ある方にメールしました。初対面どころか、連絡したこともありませんでした。「会ってもいいよ」ということでしたので、「これから行きます」と返事をしました。夜の23時ころで、「さすがに、後日にしよう」といわれました。でも、それくらいの勢いがあったんですね。
あえて、紆余曲折しながら、回答しようとしています。「若い調達担当者の育て方」は、簡単にいえば、KPIとして、とにかく「動ける担当者」に育てることです。これは育て方というよりも、育てる目標といってもいいかもしれません。でも、動ける担当者に育てることは、なによりも、その一人を成功させます。私がいま振り返っても、「むかしの職場で良かったことは」と訊かれたら、「好き勝手に行動させてくれたこと。あるいは、好き勝手に行動しなければならなかったこと」と答えるでしょう。
私は無理と思われることでも、挑戦しています。いまでもそうです。上手くいくかはわかりません。しかし、行動して挑戦しなかったら、そもそも上手くいくこともありませんからね。
「とりあえず動け」
これは、調達担当者を成長させる魔法の言葉なのです。