コストテーブルの欠点

調達・購買の現場では広く活用できるコストテーブルですが、実は大きな欠点が3つあります。この欠点を理解していないと、日常的に使用するコストテーブルによって、好ましくないミスリードを発生させるケースもあるのです。したがってコストテーブルを活用する際には、コストテーブルがそもそも持ち合わせている欠点を理解した上で活用しなければなりません。

コストテーブル1つ目の欠点は、購買活動続く限り永遠に「完成できない」点にあります。今日までの購買活動をベースにしたコストテーブルは、本日の時点で「最新」と言うだけで、完成したわけではありません。完成できないからこそ、常にメンテナンスが必要になります。常にメンテナンスが必要になるからこそ、ごくごく簡単なメンテナンスでホストテーブルの鮮度を保つ必要があるのです。

2つ目の欠点は、1つ目にも関連しますが、絶対的な信頼をしてはいけません。常に信頼と疑いをバランスさせながら、参考にするスタンスが適切です。絶対的な存在というよりも1つの参考資料であり、信頼性を高めるためにデータ更新が必要でである点を強く認識する必要があります。絶対的な存在としてしまったが故に内容が陳腐化して、コストテーブルがある日突然使い物にならなくなってしまうのです。しかしそれはある日突然訪れたのではなく、データの更新を行わなければ日々少しずつ信頼性が失われて内容が実態と乖離するのです。

また、絶対的な存在として崇めるよりも、何か疑念が生まれたり、間違いを指摘されたりしたときに、内容を確認してすぐに修正をするのがコストテーブルの有効性を確保するのに欠かせません。修正を容易にするためにも、コストテーブルに関しては絶対的な信頼を置くべきではないのです。コストテーブルには適度な疑念こそ最も運用に必要なマインドセットなのです。

今度、コストテーブルのセミナーを開催します。
コストテーブルの利点だけではなく、欠点をしっかり見つめて活用法を伝授します。ぜひご参加ください。

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