【決定版】SDGs時代に調達部門がすべきこと(坂口孝則)

先日、大変に面白い話を聞きましたので共有します。某社のトップが調達部門に、新たに調達の検討を命じました。その対象物はなんと土地。これは同社のSDGs戦略が影響しています。

というのも、日本では固定資産税を払えないために、広大な山林の土地が放棄されています。簡単にいえば、樹木を育てる人材もいないし、儲からないし、コストもかかるから、手放さざるを得ないんですね。

では、なぜその土地を買おうとするのか。これは炭素除去技術とカーボン市場の存在があります。これから企業は温室効果ガスの削減、カーボンニュートラルに取り組まねばなりません。しかし、正確には排出量ゼロではなく「実質ゼロ」という表現です。あるていど排出しても、その分を他で吸収できれば良いとしています。

そこで企業は、温室効果ガスを吸収し、その削減分をクレジットとして販売できます。スイスではクライムワークス社、米国ではノリ社が有名です。両社のホームページは面白いので見てみましょう。

山林の土地に話を戻します。では山林で樹木を栽培したら、どうなるでしょうか。これまで、樹木そのものにしか経済的な価値は認められませんでした。しかし、これからは樹木が吸収する温室効果ガスに価値がつくのです(!)。ただちには実現しませんが、樹木が吸収する温室効果ガスが測定され、クレジット市場で売却できるとします。そうすると毎年、数億円ものお金が転がり込んできます。

そもそも排出量を取引すること自体が馬鹿げている、といった批判はもちろんあるでしょう。しかし、社会の流れに乗りながら新たな生き残り策を探すのも悪くありません。もしかすると、排出権を調達するのも調達部門の仕事になるかもしれないのです。

さて、このところ上記のようにSDGsを聞かない日はありません。SDGsには17の目標が掲げられており、新聞等で見た人は多いでしょう。いまのところはコンセプトが広がっています。ただし、具体的に調達部門の業務に落とし込んだらどうすればいいのか。そこで、方向性を作成してみました。

https://www.future-procurement.com/SDGsProcurement.pdf

上記は無料でご覧いただけます。なお、記事のタイトルには決定版としていますが、現時点の決定版であっても、まだブラッシュアップする予定です。さらに行動指針にまで結びつけられるといいですよね。

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