サプライヤー戦略(5)統計学の基礎が導く新たな世界-1

・ブレは勘や経験だけではなく、統計的に把握しよう

 

前節では、投資評価に関わる者として正味現在価値とIRRの考え方を持つことが武器になりえることを説明しました。そのとき、ある利率やリターン(=利益)を一定のものとして表現していたことに注意してください。たとえば、毎年のリターンは11万円というとき、そこには本来考慮すべき「ブレ」という考えがありません。

さまざまな事業計画では「毎年3%の利益増」「100万円の売上増」というフレーズに出くわします。しかし、このような計画もまた、「ブレ」を無視しているのです。投資評価の際に、その案件がもたらすはずのリターン(=利益)はわかった。しかし、その予想はいったいどれほどブレるものなのか。

そこで、統計学が登場します。統計学、と聞いて難しく考えないでください。この統計の基礎、とくに標準偏差こそが、これまでの調達・購買に一味付け加えてくれるものなのですから。

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