サプライヤー戦略(1)なぜ企業は稼ぎ続ける必要があるのか-3

・会社の存在意義と調達・購買

 

会社とは「お金を集め、それを元手に利益を最大化する有機体のこと」です。原理的には、これ以外のものは本質的ではありません。会社は銀行、あるいは投資家からお金を預かり、それをビジネスによって利益をあげ、その一部を還元していくことを目的としています。その成果や業績は、さまざまな評価軸があるものの、もっとも一般的なものはROA(総資本利益率)を使うものです。

図表の例では、ROAを5%と仮定しました。これは、その会社に100万円を預ければ、1年後には5%の5万円を稼いでくれる、という意味になります。これならば、銀行普通預金に比べれば、この会社に投資する価値があるという評価になるのです。

ここで、もう一つ仮定を加えましょう。その5万円の利益を株主に還元しない選択をとった、という仮定です。その場合、株主に還元して株主に運用してもらうよりも、自社で留保していたほうがより多くの利益が稼げるということが「無意識に前提とされている」ことになります。では、もし会社が同じビジネス構造のままであれば、どうなるでしょう。

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