6-(5)-2 調達・購買部門の問題点

そこで役に立つのが「調達・購買業務分析マンダラ表」です。この表は、問題と思われるもの同士を、お互いに全ての組み合わせを考えることによって「真の原因」をあぶりだします。例えば、「調達・購買部門の社内的地位が低い」と「いつも仕事が遅れがちになる」の関係はどうでしょうか?もしかすると、「調達・購買部門の社内的地位が低い」から、なかなか社内が協力してくれず、結果として「いつも仕事が遅れがちになる」のかもしれない。逆に、「いつも仕事が遅れがちになる」から社内が信頼してくれず、「調達・購買部門の社内的地位が低い」という結果をもたらすのかもしれません。それぞれの項目がどれだけ悪さをしているか(どれだけ他項目の原因となっているか)を度数で合計するわけです。

もちろん、この項目は各組織・各人に応じて書き換えてもらっても構いませんし、項目数を増やしても構いません。カスタマイズして使えるようにしてみて下さい。

もしかして、「いつも仕事が遅れがちになる」のが真の原因ならば、まず何よりもパソコンの使い方講習を受けなければいけないかもしれない。部内の承認ルートを見直さねばならないかもしれない。あるいは、ムダな資料作りを廃止せねばならないかもしれない。悪しき結果をつぶすのではなく、原因をつぶしこまねばならない、とは3-(1)でも書いたとおりです。それをこの表でやってしまう。

 

原因と結果が複雑に絡み合っているように、真の原因を一つなくせば全ての問題が解消するわけではありません。梅雨が明けても雨が降るように、消えるものもあれば、消えないものもあります。ただし、この表によって何を優先すべきかが分かるのです。仮説を立てることもできます。設計業務と異なり、調達・購買業務は計算式で考えれば分かることばかりではありません。数値化できないことの因果関係を少しずつ解明し、順序だてて全体の改善を図っていくことが重要です。そのためには、その状況で真の原因と思われるものを見つけ、方策を検証していくことになります。

この表は個人でもできますし、みんなで集まって組織の問題を話し合うときにもツールとして使用することができるはずです。さて、まず抽出された原因は何でしたか?

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