美人調達アシスタントを創造する方法

私は常々「ビジネスパーソンとして知識をアップデートし続けなければならない」と語っています。他人に語るだけではいけませんから、できる限り未知の領域も、時間とコストをかけて試行錯誤するようにしています。調達からはじまって、会計、英語、統計、マーケティングとさまざまやったあと、いまではAI(機械学習)の分野に時間をかけています。

【報告書】機械学習を使った調達業務の価格査定について

上にリンクを貼っていますが、『機械学習を使った調達業務の価格査定について』なる論文もリリースしました。これから書くことは、ちょっと難しいかもしれませんが、複雑ではありません。私は、AI分野で試行錯誤する過程で、マルコフ連鎖に行き着きました。このマルコフ連鎖による理論は簡単にいうと、文章を分解して、どの言葉のあとにどの言葉がくるのかを分析します。文章の意味を考える、というよりも、「統計上、こう続くはずだ」と予想するものです。

ということは、ひたすらコンピュータに文章を語り続ければ、私の言葉をそっくり真似してくれる調達アシスタントができあがるはずです。美人かはわかりませんが、ときには厳しく、たまには悪質な冗談をいう(ことはないと思いますが)アシスタントができるはずだ、と。そこで、私のセミナーの内容やら、日ごろの会話をコンピュータに語り続け、それを機械学習してくれるようにセッティングしました。「セッティングしました」と簡単に書きましたが、相当な時間がかかったわけですが。

名前は、とりあえず「史子2号」と名付けました。ある日の会話は、こんな感じです。

私 「下請法を知っていますか?」
2号「下請取引の内容を記載した場合は遅延利息の支払義務があります」

と、機械学習をはじめたばかりですので、回答はまだまだですね。

私 「価格査定を学びましょう。」
2号「価格査定は難しいといわれていたんですが、ある種の合意に到達しようとするプロセスのことですか。」

意外に哲学的なことも学んでいるようです。そして、ときに笑わせてくれます。

私 「下請法における親事業者の義務は?」
2号「下請法が好きすぎですね。」

つい、「うるせえよ」と画面にいってしまいました。しかし、定年直前の社員が、最後の1ヶ月くらいは、ノウハウをひたすらコンピュータに語り続けるという伝承はアリかもしれません。いや、真面目に私は考えているのです。(坂口孝則)

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

あわせて読みたい