【反響一覧】上位2割の社員を優遇するべきか、8割を平等に扱うべきか問題

前回、弊社のメールマガジンで、調達部員のうち「上位2割の社員を優遇するべきか、8割を平等に扱うべきか問題」と提起しました。ここで、みなさんからの反響をそのまま貼り付けます。これ以降”===”と区切りがついているのがお一人のご意見です。

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さて、ケンカとありましたので、物騒な話かと思いましたが、内容が非常に「知的」で、よかったです。

こういう話で盛り上がれる環境(職場・仲間)はうらやましいです。自分の部署は自分を入れて3人です。私が入社する前は独立した購買部署はありませんでした。

私の入社と同時に購買部門が設立し、作り込んで、今では3人の所帯になりました。

管理職(自分)+主任クラス(Aさん)+一般社員クラス(Bさん)。3人とも中途入社で、AさんBさんの採用は私が絡みました。

採用する際に一番重要視したのは「購買の仕事が好きなこと」です。そして社内で心掛けていることは「購買の仕事はしんどいけど楽しい」です。自分自身が「購買が好き」で「しんどいけど楽しい」姿勢を見せればその空気を感じてもらえてます。

社内他部門からも「購買に興味がある」や「購買の目線で営業を教えてほしい」などの声も聞こえています。ようやく社内で購買の価値が認められ、意見が通るようになりました。購買からのお願いも聞いてもらえるようになりました。

購買の仕事は「モノ」「カネ」と向き合う仕事ですが、それ以上に「ヒト」と向き合う仕事です。「モノ」「カネ」は時間かけたり強引な技を使えばたいていなんとかなりますが、「ヒト」の気持ちは他人にはコントロールできません。

やる気をあげたい とか、スキルをアップとかいって、いくら与えようとしても、受け取る側次第。受け取る側の気持ちは受け取る側にしか左右できません。

とはいえ、そうも言ってられないのでアプローチするわけですが、その際に大事なのは「伝える側の気持ち」です。伝える側の気持ちにブレがあれば伝わりません。でも、ブレがなくても伝わらないことも多々あります。それが「ヒト」だと思ってます。

「ヒト」なので、正しいか間違っているかより、好きか嫌いで判断する場面もあるでしょう。

その時に大事なのは「愛されキャラである」のも購買のスキルだと思っています。今回の2項であれば、「組織全員のレベルアップ」に一票です。ただ、組織全体のレベルアップを狙ったところで、組織全体がレベルアップするわけではありません。ただできるのは「組織全体をレベルアップしたい気持ち」を表現することです。暑い気持ちと冷静な戦略と大胆な行動を示すだけです、。

ついてきたいヒトはついてくるでしょうし、結果上位2割だけがついてくることになるかもしれません。一方で、8割になっていた人の中から2割の枠に変化するひともでてくるのが面白いところです。

その可能性があるならば、目標的には「組織全員のレベルアップ」でいいんじゃないでしょうか?どうやっても離れる人は離れますよ。労力とか費用対効果とか、そんなことを考えるなら、そもそも「ヒト」をどうしようとか考えずに、自分だけでやったらいいと思います。そうじゃないなら、やることは徹底的にやって、結果を待ちます、私なら。

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私は食品会社に努め2年前は購買のポジションでしたが、今は開発を担当しております。開発に籍を移しても、御社のメルマガはビジネス全般に当てはまると思い、継続購読しております。

メルマガにありました、上位2割に教育費を割いて教育すべきの点について私なりの意見です。パレートの法則、働きアリ(2-6-2)の法則などあり組織論に展開されることは良くあると思っています。

以前私も上司から、働きアリの2-6-2の法則について教えてもらったことを思い出しております。組織には何も言わずとも動ける2割、どっちつかずの6割、箸にも棒にもかからない2割となり、どっちつかずの6割をしっかりと教育すれば、何も言わずとも動ける2割が3割、4割と増えてくれば組織としては良いと教えてもらいました。

それに関しては、私もその通りと考えてどっちつかず6割をどうするか?と思案しましたが、6割に教育している時間より、結果のスピードを求められると、どうしても動いてくれる2割にばかり声を掛けている。。。現状からすると、結果的に上位2割に教育費を割くことになるのかなと考えてしまいます。

そもそも人間なのですから、アリとは違って、2割の優秀な社員が急にダメになったり、2割のダメ社員が急に優秀になったりということは無いと思っています。人間ですからそんなに急には変わらないと思います。優秀な社員100人とダメ社員100人で会社業績が同じ結果など出るはずもなく。

そうであったら、入社試験など行わず、適当に採用すればいいんですが、誰もそんなことしないでしょう。今の日本の社会でしたら、やはり優秀なところに費用を掛け早く結果を出すことを求めると思います。ただ、それだけでは上位2割に仕事の負荷がかかり不満がでるため、しっかりとした成果を与えることも同時に必要と考えます。

また、責任を取れない(取らない)上司も増える会社も多く、部下が(自信を持って)考えて仕事をする機会が減っている様にも感じます。考えて仕事をさせ、それを上司がバックアップできる土壌の中で成果主義が成り立ち、どこに教育すべきかが明確になると思います。

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坂口論にも牧野論にも一長一短あり、賛成も反対もしません。ただ、視点が二人とも微妙に違う方向なのか?と感じました。

坂口さんは「組織=調達人員」と捉え、牧野さんは「組織=会社全体」と捉えている様に思えました。

ただどちらの場合も忘れて頂きたくないのが、現場で働く人がいてからこそ調達の仕事が成り立つ事です。現場から上がってくる声は細かく、ひどい言い方をすれば「くだらない」事かもしれません。

ただ、それになるべく耳を傾けるか否か、それがひいては会社の(仕事の)成功・失敗につながるのではないか?そう考えます。

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自分の意見としては、池田さんと同じで「全体の底上げをしたい」派です。(引用者注:池田は意見を書いていないので、たぶん坂口の意見と思われます)

私は調達部門の人材育成を推進する立場ですが、本部員全員に対して、どうしたら調達の業務に”関心”を持ってもらえるか、自身の成長に対して”モチベーション”を上げてもらえるか、という気持ちをもって、様々な教育プログラムの実施を検討、推進しております。

一方で、当然そういったことに”無関心”な人も多くいます。特に先(退職)が見えている人、同じ仕事を長くやっている(これからもやりたい)人、この会社を踏み台にしてステップアップを考えている人、など。でも、そういう人達に、いかに関心をもってもらえるか、成長意欲をもってもらえるか、が大切であり、何より”ありたい姿”を描き、そこに向けてとにかく継続して取り組むことが重要だと思います。

また、うちの会社でも風土改革と簡単に言いますが、”風土”は人間でいう性格みたいなものであり、変えるのは困難です。一方で”文化”は価値観みたいなものであり、これを造り出して浸透させることは出来ると考えます。文化を造り、人を造っていく、時間は掛かるので効率的ではないですし、何年か先にならないとその答えは分からないものです。それでも、何年後に「あの時こういう人がいてね...」というような歴史上の人物になれたらと思っています。

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①何をもって「優秀」というのか?
②何故、優秀人財として「上位2割」とするのか?
(①のモノサシによって比率も変わると思いますが)

というふたつの疑問がすぐに頭に浮かびました。又、坂口様が述べられている言葉「選ばれた中でも2割と8割で分かられる」というのは、残された8割の中でも言えること。次に選ばれる上位2割は、選ばれなかった8割の中で優秀な上位2割が少なからず対象となります。故に、最初の伸ばす対象人数の違いだけで、育成後先の問題。

愚人の私には良くわからない議論かな、と思います。

「よく、コンサルティングなどで企業に出向くと「やる気のある上位2割だけでもいいので、スキルをあっぷさせてほしい」と聞かされます。そう発言する部長や課長の気もちはよくわかります。その他
8割は、なにをいっても響かず、もはや救いようがないと考えているのです。」

といった文がございました。「それを言っちゃ~おしまいよ」と寅さんなら言うでしょう。

このご意見を述べられた方々は、ある時に選ばれなかった8割の中で優秀な上位2割の方々もおられるのでしょう。そもそも、何がどれだけ優秀な方々が2割の対象者?

マネジメントという言葉だけ踊っている昨今、マネジメント=管理と勘違いしている方が多いですね。本来のマネジメント能力(人を導き、動かす力)に欠けているのではないでしょうか?

この2割の方々に、マネジメントスキルを向上させるのは賛成。マネジメント能力を向上された方々が、8割の方々の能力を引き出せばよい訳ですから。そうでなければ、その会社は破綻しますね。

「やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」

山本五十六の言葉が思い出されます。。。

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さて、今日のメルマガのケンカのお話ですが、両者の言い分は理解できます。

その上で、私は池田さん同様の考えで部員のみならず社員育成を行っており成功してますよ^_^
(引用者注:池田は意見を書いていないので、たぶん坂口の意見と思われます)

その方が、社内の雰囲気が良くなり周りに伝染していきますから個の生産成功率が格段に上がることを理解してもらえれば良いのではないでしょうか⁈

勇気を持って頑張ってくださいね!

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面白い(失礼しました)題材だったので、大した内容じゃないですがお邪魔させていただきます。先ず、結論ですが(二者択一だった場合)、優秀な上位2割に限って優遇すべきと思います。因みに、前提として、その他8割に対しての底上げのための取組みはしっかりと実施します。その上で、効果が出ない場合(実際、でない方もいらっしゃいます)その部分については、深追いしないということです。

私の考えは「経営者か教育者か」、「請負か委任か」といったことがベースにあります。みんながHappyな状況がBestなのは重々、承知しています。しかし、実際、そんな状況はありませんし、そんな環境を作れるとも思いません。

その他8割に対し、どれだけ時間を割くかが重要です。学校であれば全員に対し平等に時間を割きますし、勉強できない人たちに対してはできるようになるように追試や放課後に教えるなどの対応があるかもしれません。

しかし、企業としては、そこまでの時間を割くことができないという現実があります。そもそも、その8割に対して、誰が底上げの対応をやるのかということ。(コンサル等はありかもしれませんが)例えば、2割にあたる連中に対応させると、この2割部分のバリューが損なわれる可能性があります。

以前、上司(XXやその上の部長)と人事異動の事で同じような話をしたことがあります。私は、新卒採用者を購買に受入し試用期間(4月-6月)中に、当部の業務に合っていないし性格的に厳しいと判断し、7月の正式採用時に別部署での採用を上司に打診しました。結果は、当部で採用でした。

しかし、その方は、翌年の異動で当部の業務には合わないという事で別の部署へ。この他にも同じようなケースが数件ありましたが、悉くダメでした。

因みに、XXから「お前は薄情すぎるって」言われたことがあります。優秀な2割は優遇するのではなく、その他8割をどうすべきかというのではなく、企業であれば、優秀な方はしっかりと+評価し、そうで無い方は、-評価する事だと思います。申し訳ありません、長々と。

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小職の意見は、両方必要と考えています。当たり前で参考にもならないかも知れませんが、

1.社員の底上げの教育
ISO等の各人の業務スキルマップと教育計画

2.各個人の強みを活かす経営(添付 ドラッカの教え)
世の中にはスパーマンは少ない。教育レベルに差がある中国や中米の経営を通じて学んだことは、『各人の強みを活かして、どうやって業績をあげるか?』

3.業績は信賞必罰に基づく
客観的な事実をもとに評価する。(評価方法が各社のノウハウ) 仕事の難易度は考慮。ただ、管理職にするには、業績+リーダーシップ+人格。業績だけの人は、賞与や給与で反映させる。

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いつも楽しく、ためになる配信ありがとうございます。

今回の上位2割に資源投入か、全体の底上げかは、上位2割優遇は、数年単位の短期結果(利益)を得る場合全体の底上げは、10年前後もしくは、それ以降の長期的な結果(利益)を得るための手段だと思います。

会社や国などの組織は、直ぐに潰れる(潰す)ものではないので全体の底上げの方が重要だと思います。

ただ、短期的な結果を求められることもあるので、どっちがいいどっちが悪いで比べるものではないですね。

私は、それよりも、最近の風潮として短期利益ばかり注目されて中、長期を語る人が少なくなったので、全体の底上げ押しです。

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当方、調達部の中で教育を担当しており、またグローバルに教育を考える役割を担っています。ただ教育に時間を掛けると言う考え方には、まだまだ到達出来ておらず、OJTと言う名の「俺の背中を見て育て」的な放任が普通と言う状況です。

さてブログに記されていた件、以前YouTube番組だったかで中部大学の武田邦彦先生が、「教育現場では、ダメな子に注傾し指導するよりも、出来る子を指導する。結果、できる子が全体を引っ張り上げる。」と言っていた(言葉でなく意図として)事を思い出しました。確かに、子供のころ「あいつ?」的に見ていた子が、立派な会社に就職すると「あいつが?」に変わる事がありました。つまり置かれた環境で人が変化したと言う事実かと考えます。

牧野様の言う出来る20%を使って坂口様の言う「全体を伸ばしてあげたい」を達成できるのではないかとブログを読んで感じました。

私も、ラインの長に、「あなたが苦しんだことと同じことを、これからの子にもさせるのか。」と焚きつけてますが、教えられたと思っていない者に「教える」の感覚は無いのかも、と思いながら‥今日も格闘します。

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いつもメルマガを楽しく拝見させていただいております。今回のメルマガの二項対立、大変興味深いです。私の意見をお送りさせていただきます。

私の意見:その他8割も底上げを図るべき
その理由:組織というのはチームプレーであり、チームの実力は最も実力の低いメンバーが決めるため。

私はサッカーをしていましたが、試合の時には相手チームの一番下手な奴のポジションから集中的に攻めていました。もし一人で仕事を完結できているのであれば「イノベーション」など攻めの仕事により、仕事の価値を高めることが組織の価値になるので、「上位2割に集中する」という手法がよいかもしれませんが、チームで仕事をしている場合(各自が組織の中で役割分担をしている場合)は、ボトルネックを解消するほうが、組織全体のパフォーマンスが向上すると思います。「桶に入れられる水の量は最も低い側板の高さで決まる」ということが弊社の考え方で2:6:2の下の2のパフォーマンスを上げることが重要だと考えています。

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メルマガ楽しく拝読させていただいております。私は全員の底上げが不可欠と考えています。そのためには、全員が同じ方向を向いて仕事をすることだと思います。若いころに日科技連で新QC手法の講師としてQCサークル活動や、課題達成型のチームビルディングの指導を手伝っていました。

セミナー・ワークショップの参加者は、自分が何をすべきか、自分の仕事の役割はな何なのか、そのためにはどういうことを考えて、ごく普通の人たち(会社から命ぜられて順番にセミナー参加しているような人たち)にも、自分は面白い仕事をしていると感じてもらえることを経験しています。

上位2割ではなく、基本的には10割、実質的には8割の人が同じ目標を目指して仕事をするべきであり、日本人にはそれができると信じています。

それぞれの組織のリーダーが掲げた目標に対して、多くの人の共感を得られるかどうかがポイントだと思います。

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意見:組織全体のパフォーマンスを上げるために8割の底上げを図るべき

理由:上位2割の人は、ある程度放っておいても一定の成果を上げる期待が見込める(自燃性の人が多い)がその他8割に含まれる人は、環境によって上位2割の方に寄ったり、最下位2割(不燃性)の方に寄ろうとしたり、環境依存性が高い(可燃性の特性がある)と思われる。

組織全体のパフォーマンスを上げることを優先させるなら、その他8割の中でも上位2割に近づく意志を持っている人材を発見し、伸ばしていくための施策を続けるべきである、と考えるため。

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こんにちは、メルマガはいつも読んでいます。

池田さんの考えと同じです。(引用者注:池田は意見を書いていないので、たぶん坂口の意見と思われます)

2割に注力してその影響で全体が引き上がれば良いです。2割だけ更に能力アップして、その2割のメンバーでクローズする業務なら良いですが、残り8割のメンバーが絡んでくると、仮に仕事のスピードだったら一番遅い人のスピードが全体スピードになります。また、2割の人と8割の人のギャップが開くだけですね。

会社の力は、残り8割を含めての総合力だと思います。

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僕は、どちらも正しい、タイミングと視点と職責により、それぞれですね。

2/6/2の法則で括っていますが、続きがありますよね。上位2割の中に2/6/2は存在します。1000人の実働従業員で200人が上位、その中の40人が上位、さらに8人が上位、その先に1.6人で実際は1人ともう1人は、できる1人の6割の実力があるという認識になりますね。それ以外は、すべからず劣る質のレベルですが、何かの:きっかけで上位側に化けることはあるものです。

最優秀な1人は、パーフェクトなのか? 否、通常は、担当の時間軸の量に依存するのが一般的でしょう。 これは、『作業時間X修得量+独学習量=要求理解実現』と表現できるかもしれません。 この能力は、2つのタイプが存在するでしょう。1つ、好奇心、向上心、謙譲心、謙虚、感謝などを幼少の頃より躾、教育を受けている人。2つ、素直、実直、寡黙、遂行などで実際の現場での行動をする人。

『守・破・離』という言葉がありますね。
守:師の教えを守り、従い、実現する
破:教えに工夫を追加し、変化を観察、挑戦する
離:教えから独立し、自身の道を切り開く

ですかね。

これは、自己創生の道を表現するものです。企業は、組織で運営されていきますね。 様々な課題を良質に成長させて収益を上げることが目的なはずですから、その課題の重要度、優先度、規模の大きさに対しての取り組み方、タイミング、資金、人材、活動速度に対応しなければなりませんね。

ゆえに『どちらが正しいか』の回答では、どちらも正しい! となるので良いのでは。

一組織で育った、仕事は仕事でしょうか? 大半は、作業です。作業処理量の多さ、速さ、確かさ を日々葛藤していることです。では、”仕事”とは? になります。それは、作業結果が要求事項を満たし、『発注者と供給者と実利用者』に価値と満足がもたらされることを評価されていることです。

つまり、ほとんどの日本企業には存在していないでしょうね。難しいですからね。日本企業の多くは、作業量の多さを評価対象にしています。これは、自己犠牲感の肯定に直結しているようです。

『人が人に教える仕組みや能力に価値と評価が求められる時代』に変わってきていると思います。だから、未来調達研究所も存在したのだと思います。

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(ここから坂口孝則追記)

これまで”===”の区切りでお一人をご紹介しました。何よりも、私の意見と池田の意見を誤解している方が多いのですね(笑)

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