1-11 新時代のバイヤ:教育、システム活用、そして改善の実践者

調達・購買部門が直面する変化の波は、バイヤの職能に新たな要求をもたらしています。単に良い条件で購入するだけでなく、購買を行わないという選択も含めて、バイヤの重要性が増しているのです。

1.教育できるバイヤとして

品質、コスト、納期(QCD)の観点で有利条件での購入は、今なおバイヤにとって中核となるスキルです。しかし、いかにしてこれらの条件をサプライヤから引き出すかが重要です。国内で培われたスキルとノウハウを、海外進出に際しては現地の文脈に合わせ適用し、円滑な調達・購買業務を実現するための教育が不可欠です。企業独自の慣習や方法論を普遍的な理論と組み合わせ、日常業務への適応を促します。

2.仕組みを構築するバイヤとして

現代のバイヤは、企業内の情報システムを駆使して業務を進めるべきです。注文書発行などの基本的な作業はシステムによって自動化され、調達リードタイムや必要納入時期は関連部門と共有されるべきです。海外拠点における情報システム構築には、バイヤ自身が関与し、国内での経験を基にした効率的な業務運用を目指すべきです。

3.改善を促すバイヤとして

バイヤは、国内サプライヤがもつ、継続的なコスト削減の取り組みを海外サプライヤにも導入し、グローバルな競争力の強化を図るべきです。この改善は、サプライヤだけでなく、国内外の拠点全体にわたるもので、継続的な改善と成果の共有化を通じて、全社のレベルアップを目指します。

変化するビジネス環境の中で、バイヤはただの購買担当者ではなく、教育者、システム構築者、改善促進者としての役割を担っています。これからの時代、バイヤは企業の成長エンジンとして、より積極的に新しいスキルを身につけ、その役割を拡張していく必要があります。

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