知っておいてソンはしない話

ビジネスマンは三つのタイプに分かれる、と聞いたのは10年も前のことです。自分はその三つのどれに分類されるか意識して仕事せよ、と。某先輩は私に教えてくれました。その三つとは、「話すひと」「書くひと」「実践するひと」です。それぞれ、説明しましょう。

まず、「話すひと」は、プレゼンターといっても良いですね。社内会議とか、あるいは役員向けプレゼンとか、あるいは社外向けの説明とか。そういうの得意なひと、いますよね。人前に立って話すと、絵になり、また上手なひと。誰もが任せたくなるひと。そんなひとは、おそらく「話すひと」に分類されます。

次に「書くひと」は、資料を作成するひと、とも呼びます。ワード、エクセル、パワーポイント……さまざまなソフトがあります。ビジネスマンの仕事の大半はいわば「資料を作成すること」ですから、これらの卓越さは、そのまま個人の卓越さにつながります。近くにいますよね? なんでもA3にうまくまとめちゃうひと。何でもさらっと文章にまとめちゃうひと。彼らは「書くひと」ですね。

また「実践するひと」は、文字通り、現場好きでミクロな仕事に没頭するひとです。行動が第一であり、資料にまとめることや、あるいはプレゼンテーションはあまり得意ではありません。だから、ときに評価されません。でも、評価されないことは、そのひとがダメだということにはつながりません。彼らは、資料をキレイに作ったり、あるいはプレゼンテーションをカッコよくやったりすることの意義と意味があまりわからないのですよ。いや、実感がないといってもよい。そういう現場主義のひとは「実践するひと」ですね。

……と、こう聞いたことがあったのですね。

すると、先日、とても驚くことがありました……。

私が何に驚いたか説明します。それは、日本経営合理化協会の牟田學会長の書籍を読んでいたときのことです。氏は無類のコンサルタントとして、数十年も業界トップに君臨しています。氏が数十年も前に書いた「社長業のすすめ方」という傑作に、同じような表現が出てきました。牟田会長は、コンサルタントを三つの分類にしています。いわく、「講演のひと」「本のひと」「指導のひと」だと。えっ!と思いました。

もしかしたら、私にビジネスマンが三分類できる、と教えてくれたひとは牟田会長の本を読んでいたのでしょうか。わかりません。が、おそらく、牟田会長の発言が曲折し、こうなったかもしれませんね。コンサルタントは、「講演が上手い」けれども、あまりたいしたことがない先生もいる。また、「本は面白いけれど」も、実践指導できない先生もいる。指導は上手いけれど、話下手で評価されない先生もいる--。らしいのですね。

私は単純分類を嫌う人間です。が、もし読者がコンサルタントを雇うケースは、上記の三分類を覚えておいてソンはしないでしょう。「講演のひと」「本のひと」「指導のひと」がいると。また、ビジネスマンも「話すひと」「書くひと」「実践するひと」にわかれるというのは、なかなか面白い派生話ですよね。

なお、私自身は、「講演のひと」「本のひと」「指導のひと」そのすべてを満たすように努めています。もちろん、それが達成できているかは、第三者の評価を待つしかありません。

ところで、私に影響を与えた三冊は次の通りです。

「話す」・・・「人生が面白くなるノート術」 http://goo.gl/Fy4G2M

「書く」・・・「理科系の作文技術」 http://goo.gl/NuPiL6

「実践する」・・・「タイム・マネジメントの新技法」 http://goo.gl/W3p9F3

ただし--。と思うのです。講演だけではつまらない、本だけでもつまらない、指導だけでもつまらない、と。どうせなら、これまでのコンサルタント業を超えるような像にならねばならない、と私は常に考えています。

私は、コンサルタントかつ実業家でならないと思うのですけれどね。実は、いま面白いことを計画中で、またおってみなさまにご紹介したいと思います。

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