調達担当者が本を出版する確実な方法

先日、某企業での集合研修で、ご参加者様から「どうやったら本を出版できますか」と訊かれました。真面目にお答えします。まず、企画書を3ページ作成してください。グーグルでもヤフーでもかまいませんので、一般的な企画書を書きます。タイトル、そして、概要。どういうひとが読者になりうるか。そして時代性とは。さらには他の書籍との差別化ポイントなどを盛り込みます。可能ならば、予想販売部数ですが、それは出版社もさほど気にしません。だって素人の売上予想など当たるはずがないからです。

そして、次にサンプル原稿を数枚は書いてください。当たり前ではあるものの、もっとも面白い箇所を書いてください。だって、その文章を読んで、出版社が出版を検討するわけですからね。真剣に書きましょう。たとえばブログをなさってひとであれば、最高に面白いエントリーを、さらにブラッシュアップさせます。可能であれば、サンプル文というのは、ご自身の経験と、そして固有名詞を登場させてください。さらに可能ならば、その経験から何が言えるのか。論理的な文章でなければなりません。

では、それらをどこに送るのか? 送り先は明確です。出版社ですよ。では、どの出版社に送るのか? ここで一般的には知られていないノウハウがあります。

では、どの出版社に送ればよいか、という話の続きです。素人は、「うむーこの出版社はカラーにあわないのではないか」とか「あの出版社ならば出版してみたいなあ」とか、さまざまな思惑をもちます。しかし、それらは素人の浅はかな考えなのです。素人がどう思っても、プロはプロです。自社にあなたが合うかどうかなどは、独自の視点で決めるのです。

そこで、作家の中谷彰宏さんがいった名言が参考になります。いわく、「本を出したければ、とりあえず、思いつくすべての出版社に送ればよいのだ」と。けだし至言ですね。ということで、私たちがとるべき戦略は、すべての出版社に送ることです。冗談ではありません。考える暇があったら、すべてに送ってみればよいのです。現在ではインターネットでいくらでも出版社を検索できます。「あ」からはじめて、予算尽きるまでやってみましょう。

やってみても可能性は低いままです。しかし、やらなければ可能性どころか、実現性はゼロです。道に出たら事故にあう可能性が高まりますが、道路に出なければ事故にすらあえないのです。ちなみに私は「日刊工業新聞社」ですから「に」の出版社にひっかかった、というわけです。私たちは、どんな情報でも一瞬で検索できる時代にいます。情報だけではなんら優位性を発揮できないのです。私たちは、失敗の数と、経験値のみで他を差別化するほかないのです。

量が質を凌駕する、とは私の大好きな名言です。そして同時に思うのですが、おそらく圧倒的な行動を誇るひとは、どんな状況にあっても成功するのでしょう。少しでも参考になれば幸いです。

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