ビジネスパーソンが金持ちになる方法について真剣に考えてみた
22歳の青年は、入社してから、「ビジネスパーソンが金持ちになる方法」をずっと考えました。その会社に不満があったかというと、それは複雑です。というのも、まったく不満を抱かないひとなどいません。だから、普通の満足と普通の不満足を抱いていたのでしょう。日本では、年収が1000万円になれば上位5%ていどになり、年収が1500万円になれば上位1%に入ります。その意味で、意外に上位1%は近くに存在するとわかるでしょう(きっと奥に座っている部長さんの年収です)。
日本の給与所得者の平均は400万円ていどです。もちろん、給与所得者ではない不遇のかたもいらっしゃいますから、もっと平均感は低い。ただ、よくいわれるのは「若いころはお金を使う体力にあふれているが、機会がない。加齢したあとは、使えるお金はあふれているが、使う体力がない」と。だったら、どうやって、若いうちに、それなりの金額を稼げるのでしょうか。
冷静に検討していった結果、「ひとにいえない職業」か「客単価が高い職業」か「多くのひとに接する職業」であろうと思い至りました。ただ、「ひとにいえない職業」はそもそもやれません。親と子どもに説明できない仕事とはたしかに儲かるにしても、気が進みません。「客単価が高い職業」は、一発100億円のM&A支援とか、ジャンクボンドを80億円で売りつけるとか。でも、そんな知識はありません(し、おそらくできないだろうな、と思いました)。
そうすると、残るは「多くのひとに接する職業」しかなかろうと、22歳の私は思ったのです。
ビジネスパーソンとは、基本的に守りのゲームなのです。一か八かの賭けはテレビゲームで愉しめばいいのであって、実際の人生では不要です。かなりこの考えは不評で、「起業したら、人生を賭けねばならないのではないでしょうか」と真顔で訊いてくるひとがいます。そうでしょうか。ハイリスク・ノーリターンに賭しているひとも多くいます。繰り返し、ビジネスパーソンとは、ビジネスとは、守りのゲームなのです。
私は「できるだけ在庫を持たないこと」「できるだけ準備金が不要なもの」「可能なら、継続的にお金をもらえるもの」の条件にあてはまる仕事をすべきだろう、と思いました。パソコンひとつで記事を書いたり、そして何より負債と固定資産を抱えなかったりすることが、私にとっては何よりも大切なのです。それが守りの意味であり、これを読んでいるひとのなかで独立しようとしているひとがいたら、参考になれば幸いです。