60万円を一瞬でコスト削減する方法

先日、ある方から聞いた話をシェアします。あまりにも興味深い、コスト削減の話です。みなさんと業界は異なるでしょう。ただ、ヒントがあるはずです。それは、中古車販売の方から聞きました。

具体的な固有名詞は省きます。中古車販売では、いくらで査定して、いくらで販売するかがキモになります。会社全体で見ると、客先にいったり、査定したりする社員は、いわゆる「固定費」になります。チェーン展開しようとすると、その社員(固定費)は増大します。しかも、教育をする必要がありますから、けっこうなコストが生じます。

もちろん社員をコストと呼ぶにはいささか逡巡があります。しかし、ここでは会社側から見た際の意見と思ってください。社員を一人雇おうとすると、社会保障や福利厚生の会社負担をふくめて、だいたい月に60万円ほどかかります。これで100人になると、6000万円と膨れ上がります。

さて、ここの経営者は、この費用を抑えようとしました。もちろんゼロにはできない。ただし、なんとか減らせないか、と。固定費を抱えるのは、景気の波にただようとき、リスクでもあります。経営者は、社員の給料を支払うために、銀行融資に奔走しますからね。

そこで、この経営者が採用した手段が、おそるべきものでした。あっとういう間に、大幅なコスト削減を果たしたのです。

その手法とは、「まず他社から買い取り査定をしてもらってください。その見積書を持ってきてくれたら、プラス1万円で買い取りますよ」というものでした。凄い!と私はうなりました。作業の外注化ではなく、完全に他社を活用しています。これにより、社員は大幅に抑えることができ、かつ顧客満足度もあがったそうです。

ちなみに、冷静に解説しますと、書面の第三者開示ですから、当然ながら問題はあります。見積書の位置づけによっては、倫理的のみならず、法的にも問題があります。しかし、私がそう理解しながら紹介したのは、これまでの発想を超越したところに、根源的なコスト削減施策があると思ったからです。

繰り返しますと、私はこの手法をそのまま良しといいたいわけではありません。あくまでも発想として申し上げました。が、考えてみると、かつて、有名他社が調達している事実をもって、品質監査を軽減する企業がありました。形は変わるものの、それは固定費の移譲(というか作業の回避)といえるかもしれません。誰か、まったくコストのかからない外部に、作業を任せる。この観点は必要だと思います。

またシェアしたいノウハウがあったらお伝えします。

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