「あなたは終わっている」といわれた話
先日、海外調達セミナーを実施しました。すると、ご受講者のお一人がやってきて、「先生、あなたは古い」といわれました。私の内容は大企業のそれで、海外で闘えないというのです。
どういうことか。そのひといわく、もうネットとメッセンジャーアプリ(LINEとかフェイスブックメッセンジャーみたいなもの)で完結するというのです。たとえばスマホを生産するとします。まず、ポンチ絵を書いてアリババで見つけたサプライヤに送付。そこからスカイプで会議して、その場でスペックを決定。あとはメッセンジャーアプリを使って、部品の画像や動画を交換。
そして、すぐさま生産が開始され、日本に納品される……。おそるべきスピード感です。だから私が教えているような正当法の手法は、もはや、世界で闘えないほどの「遅さ」というわけですね。支払いは、アリペイ(アリババがやっている支払いサービスです)ですぐさま完了。これは、信用状とかそういった手続きとは無縁の世界にいます。
私は、正直「まあ、そういう世界もあるだろうな」としか思いませんでした。そういうスピードでなければ勝てない世界はある。しかし、だからといって、品質確認をスマホのみで済ませる世界だけが到来するわけではない。そういう認識が正しいと思うのです。
ただし、いろいろ考えさせられるものがありました。私は大手の企業がメインの顧客ではあります。しかし、世の中の先端をもっと伝達する意味があるのではないか。
そう考えて、今年はさまざまなところに行っています。ミャンマーも、タイ、マレーシア。そしてこの前はフィリピンに行き、市場をつぶさに見てきました。次はスリランカにも行く予定でいます。現在、世界は大きく動いています。実感できました。そして、あまりにもたやすく、その動きに乗れます。
現在、アジアのなかで、実際にみなさんをお連れしてサプライヤをめぐったりできないかな、と検討中です。また、アジアのパートナーを見つけましたので、新しい形のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング~業務外注)事業をはじめる予定です。新しいとは、これまでのようなコールセンターや入力代行ではなく、インテリジェンスな業務を行うものです。
そして、アジアのなかで凄いサプライヤがいたら、それを伝達できる仕組みがないか考えています。もちろん、これまでも同種のサイトはありました。ただ不満も多く、実際にみなさんはほとんど使っていないと思います。あくまで調達・購買観点から、アジアのすぐれたサプライヤを見たり、情報を交換したりするサイトです。
こういった事業にご協力いただける方も、ぜひ私にお声かけください。